移住してパティスリーを開業 垂井町の森を人が集う場に
寺野 裕紀(てらの ひろき)さん・結子(ゆいこ)さん
- pâtisserie La filer パティシエ
プロフィール
裕紀さんは愛知県、結子さんは垂井町出身。
製菓専門学校時代に出会い、2021年に結婚。
愛知県稲沢市に暮らしながら、裕紀さんは愛知県北名古屋市、結子さんは岐阜市のケーキ屋で修行後、2024年に『pâtisserie La filer(パティスリー・ラ・フィレール)』の開業を機に垂井町へ移住&Uターン。
岐阜県西濃地域にある垂井町は、国道21号線とJR東海道本線が町の南部を走る、岐阜市や名古屋市へのアクセスが良いまち。
「相川こいのぼり一斉遊泳」で知られる相川をはじめとする豊かな自然に恵まれ、商業施設も充実しています。
パティシエの寺野裕紀さん、結子さんご夫妻は、結子さんのご両親の後押しで、パティスリーの開業を機に愛知県から移住。
森に囲まれた自然豊かな環境で、地域の素材を生かしたケーキや焼き菓子を作り、
また“癒しの場”作りにも奮闘するお二人に、お話を伺いました。
Q1.移住のきっかけはなんですか?
<結子さん>
それぞれ別のケーキ屋で修行しながら、「いつかは自分たちのパティスリーを持ちたい」と考えていたところ、
垂井町で『木工房 結(むすび)』と『Cafe結』を営む私の両親から、
「私たちの店の隣で開業しないか」と提案を受けたことがきっかけです。
Q2.元々、垂井町での開業は考えていましたか?
<裕紀さん>
具体的な場所は考えていませんでしたが、
私が元々、とある岐阜県御嵩町の自然に囲まれたお店に憧れていたので、
垂井町の森の中にあるこの場所なら自分の理想の店づくりができるのでは、と思いました。
<結子さん>
私は愛知県で暮らしているときも、故郷の垂井町の自然いっぱいの環境を懐かしく思っていたので、
両親の提案はありがたかったです。
Q3.開業や移住までのプロセスを教えてください。
<裕紀さん>
家族4人でたくさん話し合う中で、さまざまな店舗が集まるこの森を、
いろんな事業や人・モノが集まり、つながるコミュニティの場にしたいという想いが芽生えました。
そんな家族の夢を叶えるため、クラウドファンディングにも挑戦し、
多くの方の支援を受けて、2024年6月に『pâtisserie La filer』をオープンしました。
<結子さん>
開業に合わせて私たちの引っ越しも進めました。
店舗の近くにある祖父が所有していた建物を改装して、暮らしています。
Q4.お店のこだわりを教えてください。
<裕紀さん>
義祖父の協力のもと栽培した、庭の果樹園のゆずやレモン、きんかん、甘夏、栗といった果物や、
近くにある養鶏場の平飼い有精卵など、地域の素材を使っています。
塩気が効いたザクザクの生地のシュークリームや、自家製ゆずジャムを使ったザッハトルテが人気です。
▲店舗には、ケーキ10種類、焼き菓子8〜10種類ほどが並ぶ
<結子さん>
木工職人の父の協力で完成した店舗は、木をふんだんに使っていて、
温もりがあふれる、あたたかな雰囲気になっています。
▲まさに“森の中“にある『pâtisserie La filer』の店舗
Q5.どのようなお店にしていきたいですか?
<裕紀さん>
都会でせわしなく過ごしている人が、ここを訪れると日常を忘れられて、心が癒される。
そんな、わざわざ訪れたくなる店にしたいですね。
もちろん、地元の方にもたくさん来ていただきたいです。
Q6.地域とのつながりはありますか?
<裕紀さん>
垂井町にあるデザイン会社さんには、お店のロゴを制作してもらいました。
プライベートでの地域との関わりは、これからですね。
<結子さん>
両親の店舗の隣に開業したこともあり、近所の方がオープンの時にお祝いしてくれました。
私の同級生がお店に来てくれることもあるので、それも嬉しいですね。
Q7.休日はどのように過ごしていますか?
<裕紀さん>
垂井町内のカフェ&シェアスペース『TONARI GA KAWA(トナリガカワ)』さんのスパイスカレーを
よく食べに行っています。
▲『TONARI GA KAWA(トナリガカワ)』のスパイスカレーとレモネード
<結子さん>
ケーキの材料は、隣の大垣市の大きめのショッピングセンターまで買い出しに行くことが多いですね。
遠出となると、ケーキ屋巡りのために三重県や滋賀県まで足を伸ばすこともあります。
車で1時間くらいの距離なので行きやすいです。
Q8.垂井町の暮らしの魅力を教えてください。
<裕紀さん>
ずっとここで暮らしている人には当たり前かもしれませんが、
肉眼で星座がわかるくらい、夜空の星がプラネタリウムのように見えて感動しています。
<結子さん>
移住前と比べて駅が遠くなったので多少の不便さはありますが、
それ以上に自然が近くて、緑が多いことに癒されます。
祖父が育てる野菜をもらえることも、助かっていますね。