日本の“真ん中”・岐阜に移住して、
人生が良い方向に変わった。
川口聡さん
- 株式会社リーピー 代表取締役
プロフィール
「地方の未来をおもしろくする」をビジョンに掲げるWeb制作会社・株式会社リーピーの代表取締役。2012年に岐阜市に移住。2017年に市内にマイホームを建て、今は妻・子ども3人の5人暮らし。「岐阜 イクメン」で検索すると、ブログ記事が上位に表示されるほどの自称イクメン。料理が趣味なので、どちらかという家事メン。週4日サウナに通う。サウナ・スパ健康アドバイザー認定。
岐阜市は名古屋市まで電車で25分という便利な立地ながらも、毎年5月から10月には伝統的な鵜飼が毎晩執り行われる歴史と文化の豊かなまちです。福岡県久留米市で育った川口聡さんは東京の人材ビジネス企業に勤務していましたが、会社の起業とともに配偶者の故郷である岐阜市へ移住。現在は、Web制作とWebサービスの開発をする株式会社リーピーで代表をつとめる川口さんにお話をうかがいました。
移住前はどこでどのようなことをしていましたか?
新卒で東京に移り、人材ビジネスの会社に入社しました。4年間、人材ビジネスに関わり、その後、新規事業としてIT企業をグループ会社で立ち上げるという話になり出向。結局は2年半もの間、関わっていました。
移住のきっかけは何ですか?
元々は28歳で独立をすると決めていたので、そのタイミングで会社を辞め、独立しました。
会社員時代には週の半分近くも地方に出張していて、地方のIT化が進まない現状を見ていまして……。
地方でたくさんの事業者さん達と話をする中で、地方のIT化をやりたいという想いが強くなってきました。
当初は岐阜への移住はまったく考えていなかったのですが、
ある日、会社からの帰り道に思いを巡らす中で、「そうだ、岐阜に行こう。」と思い立ちまして。
その夜、妻に「会社辞めたら、岐阜行くから。」と伝えました。
地方をIT化するなら、東京に会社を構えるより、実際に地方で自分自身が暮らさないとわからない部分も多かったのも理由の一つです。
移住の決め手は何ですか?
独立を考えていた頃に長女が生まれ、東京で妻と3人暮らしが始まりました。
妻も働いていたため、保育園に預けようと思いましたが、自分たちもいわゆる待機児童問題に直面し、まったく保育園に預けられるような状態ではなかったですね。私自身は場所は問わず、起業したいと思っていたので、保育園の問題が決め手となりました。
他に候補地はありましたか?
東京でそのまま起業する選択肢もありました。あとは自分の故郷である福岡での起業です。
ただ、子育てとの両立を考えると、私も妻も働きたい時期だったので、妻の実家の近くが一番だという結論になり、岐阜市への移住を決断しました。
どのようなプロセスで移住しましたか?
岐阜市の妻の実家にまずはお世話になること前提で引っ越しました。
妻にとっては住み慣れたまちですし、私の実家である福岡県久留米市ともよく似たまちなので、ふらっと故郷に戻った感覚です。
利用した支援制度や補助金はありますか?またどのように情報を入手されましたか?
特に利用した制度はありません。移住をした2012年頃は、あまり支援制度も無かったように思います。
「地方創生」という言葉も2014年から言われ始めたと記憶しています。当時もあったのかもしれませんが、特に制度を利用しようという考えに至りませんでした。
移住してまずはじめにしたことは何ですか?
移住と起業が同時だったので、当時は稼ぐことに必死で……。
岐阜のまちを知ることもなく、ひたすら仕事していました。
現在はどんな仕事をされていますか?
30名を超える規模になり、岐阜の中ではそこそこ大きな規模のIT企業になってきました。
▲株式会社リーピーの岐阜本社の様子
今の一日のスケジュールを教えてください。
5:30 起床
5:30~8:00 朝食・夕食作り、片づけ、洗濯、保育園の準備、自分の支度
8:00~9:00 保育園の送り、出社
9:00~18:00 仕事
18:30~21:00 帰宅、台所にノートパソコンを広げたまま夕飯の支度、合間にタスク処理、食事や部屋の片づけ、風呂掃除、洗濯物の取り込み、子供達と遊ぶ
21:00~22:30 近くの銭湯でサウナ
23:00 読書
24:00 就寝
地域とのつながりはありますか?
もともとは家族しか知り合いがいない中での移住でしたが、仕事関係から友人も増えていきました。
東京と違って、地域コミュニティが強いので、自分が住んでいる町内の人たちは地域全体で子どもたちを見てくれますし、温かいですよね。
岐阜あるあるですが、よく知り合いから野菜をいただきます。
岐阜に移住して驚いたことはありますか?
何かと味噌ばっかり付けることですね。おでんに味噌とか。
味噌カツに赤出汁なんて、福岡出身の私からすると信じられないです。
だって、全部味噌の味になるじゃないですか。
住んでいる地域の魅力を教えてください。
私が住んでいる岐阜市は、とにかく「今」がおもしろい時期だと思います。
30代~40代の若者が新しいまちにしようと、さまざまな活動をしています。
駅北部の柳ケ瀬エリアもこれから変わっていきますし、岐阜市はもっと魅力的なまちになる可能性があると思います。
私みたいに外から移住してきても、このまちをよくしたいと思えば、さまざまな活動に参加することもできます。
初めは馴染めない部分もありましたけど、受け入れていただけると、「チーム岐阜」みたいな一体感を無意識に感じますね。
まあ、いわゆる田舎ですが、その田舎とまちの雰囲気が一体化しているのが、「岐阜市」です。
お気に入りの場所があれば、好きな理由とともに教えてください。
「大垣サウナ」ですね。
水の都・大垣でしか味わえない水風呂は最高です。
岐阜のお気に入りの食べ物を教えてください。
やっぱり、鮎料理じゃないですかね。
毎年50匹くらい食べます。
鮎はやはり炭火での塩焼きです。
毎年、揖斐川まで食べに行きます。
岐阜で好きな季節はいつですか?
好きな季節は特に無いというか、年中いい気候です。
雪もほどほどに降って楽しめますし、夏は川遊びや川釣りも楽しいですし。
休日はどのように過ごされていますか?
半分仕事、半分子どもたちとの時間ですね。
岐阜市は子育て支援も積極的なので、児童館をはじめ、子どもが遊べる場所がとにかく豊富で、行き先に困りません。
▲3人のお子さんとマイホームで水遊び
子育ての環境はいかがですか?
岐阜市にいたっては待機児童も無いですし、公園もきれいになっていて。地域の方も一緒に子どものことを見てくれるので、とてもいいと思います。
小学校や保育園の親同士で、子どものお迎えを支えあうこともあります。
気づいたら、夕飯の時に友達の子どももいる、みたいな。
こういう地域のよさはありますよね。
移住を検討されている方に一言お願いします。
これからの時代は変化もはげしく、予想もできない時代ですので、自分の生活を安定させることが自由につながることも多いように思います。
岐阜は日本の“真ん中”にあり、生活水準もホントに“真ん中”です。
この“真ん中”の安定感があるからこそ、日々の生活もしやすく、仕事で日本中への移動もしやすいわけです。
日本の真ん中・岐阜を人生の拠点にするのは、これからの人生においてはとても良いことなんじゃないですかね。
私は岐阜に移住して、人生がいい方向に変わったと断言できますので、このまちには何か人を幸せにする力があるんじゃないかと思います。
だって、日本の“真ん中”ですからね。
出身地と岐阜を比べると、どのような違いがありますか?
私の出身地である福岡県久留米市とは規模や街並みがよく似ていて、あまり違いを感じません。これもまた、“縁”だと思っています。