地域とのつながりを実感できるから、
都会とは比べものにならない安心感がある
中桐由起子さん
- 自営(ソラノイエ 農村滞在型の宿 など)
プロフィール
1983年生まれ、岐阜県各務原市出身。消費ばかりを追求する暮らしに疑問を持ち、ワーキングホリデーを利用して外国に滞在。パーマカルチャーや持続可能な暮らしについて学ぶ中で自然と丁寧な暮らしが残る日本の田舎で仕事しながら暮らしたいと思うように。帰国後に実家のある岐阜県にIターンし、ソラノイエ 農村滞在型の宿のオーナーとなる。
下呂市は日本三名泉に数えられる下呂温泉を目的に、毎年多くの観光客が訪れる岐阜県中部に位置するまちです。岐阜県各務原市で育った中桐由起子さんは、海外でのワーキングホリデーを経て、帰国後に下呂市の地域おこし協力隊の応募をきっかけに移住。現在はソラノイエ 農村滞在型の宿を運営しながら、多方面で活躍する中桐さんにお話をうかがいました。
Q.移住前はどこでどのようなことをしていましたか?
ワーキングホリデーを利用してオーストラリアとニュージランドにいました。これからの生き方を探ろうと、バックパッカーとして放浪の旅をしながら、パーマカルチャーや持続可能な暮らしについて学んだりゲストハウスで働いたりして。それ以前は東京にあるTVCM制作会社に勤務していました。
Q.移住のきっかけは何ですか?
東京での暮らしに疑問を持ち海外の田舎生活を経験して、それまでの執着や価値観が変化したんだと思います。暮らしを自分で創っていくことに魅力を感じるようになって……。消費ばかりを追い求めるより、自然や丁寧な暮らしが残る日本の田舎で仕事して暮らしたいと思うようになりました。
Q.移住の決め手は何ですか?
岐阜県に実家があることと、たまたま協力隊の募集を見つけたのがきっかけですね。過疎地域で自分が力になれる仕事や地域の資源を活用する仕事を探していて、移住すればそれが実現できると感じて応募しました。海が好きなため、岡山や四国も候補地でした。
Q.どのようなプロセスで移住しましたか?
下呂市の地域おこし協力隊に応募しました。
Q.利用した支援制度や補助金はありますか?またどのように情報を入手されましたか?
お試し移住施設空き家整備事業です。現在経営している宿であるソラノイエ農村滞在型の宿の改修で利用しました。
Q.移住してまずはじめにしたことは何ですか?
地域おこし協力隊として地域に溶け込むこと。
お祭りや行事、地域の集まり(年代問わず)への参加。
そして、地域へのヒアリングです。
Q.現在はどんな仕事をされていますか?
パラレルワークでいろんなことをしています。特にこれといった肩書を決めずにいると仕事がやってくるのも田舎らしさかもしれません。
ソラノイエ農村滞在型の宿のオーナーをメインに、米農家、地域プロモーションのプロデュース業、デザイン、ライター、映像制作など。NPO法人みらいろの理事もしています
Q.仕事はどのように見つけましたか?
地域資源を生かせる仕事を組み合わせたくて、宿泊施設を運営することを決めました。人の交流が生まれる場所や地域を作りたかったんです。
Q.どんなときに岐阜に移住してよかったと思いますか?
水がおいしいと感じる時。
あまり都会の人には知られてない場所で、すてきな場所を発見した時。
まちそれぞれに文化や歴史があると知った時。
Q.地域とのつながりはありますか?
地域とつながっていると強く感じます。そのおかげで暮らしの安心感が都会とは比べものにならないです。食べ物はお裾分けがあり、災害や困ったことがあっても地域で解決できるのでありがたいですね。
Q.岐阜に移住して驚いたことはありますか?
方言がわからないことです。岐阜出身の私ですが、あまりにも違いすぎて……。
地域の繋がりが強いこと。
冬が長いこと。
Q.住んでいる地域の魅力を教えてください。
水がきれいで食べ物がおいしい。
地域のつながりが強く、助けあえるところ。
年寄がはつらつとしているところ。
夜がちゃんと暗く、星がきれい。
季節ごとの行事やお祭りがあること。
日本人として尊敬できる知恵や技術を持つ人がいること。
温泉が近いこと。
Q.お気に入りの場所があれば、好きな理由とともに教えてください。
ソラノイエ(自宅)です。 地域の人たちと一緒にできるだけ地域にある素材を使い改修した古民家でいろんな人の交流が生まれる場所です。思い入れが大きいので。
- 長良川の堤防沿いを運転しながら金華山を眺めること
- 柳ヶ瀬
- 温泉
Q.岐阜のお気に入りの食べ物を教えてください。
- お米
- 味付け揚げ
- 鮎の唐揚げ
- えごま五平餅
- 刺身蒟蒻
- いももち
- 山菜
- 原木椎茸
Q.岐阜で好きな季節はいつですか?
それぞれの良さがあって選びづらいけど、ひとつあげるなら5月。
Q.休日はどのように過ごされていますか?
旅行にいったり、友人と会ったりしています。
自営業のため休日と仕事の垣根がほとんどありませんが、たまには旅行にいきたいなと思います。
Q.移住を検討されている方に一言お願いします。
一度はその場に足を運んでみて、地域の方と会って話すことをおすすめします。
Q.一度岐阜から離れてみて、岐阜に対する印象は変わりましたか?
変わりました。東京にいる時は、岐阜には何もないと思っていたし、思い入れも思い出も特になかったです。出身というだけで、何も語れることはなかったというか……。
今なら岐阜県の中にもそれぞれのカラーがあることがわかるし、山深い地域の素晴らしさを感じるようになりました。出身地の各務原市についても今なら、暮らしやすさで考えると「ちょうどいいまち」と思えるようになりました。